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(79)仰げば尊しゴルフの恩〜伊東商高の斎藤元謙教諭 番組名:伊豆伊東のゴルフ物語

更新日(2020/06/11)

  県立伊東商業高校のゴルフ部といえば、高校ゴルフ界の強豪校として知られていた。同校の創立は1963(昭和38)年。小塚誠一初代校長がプロとして活躍した杉本英世の恩師だった関係から「人間育成にはゴルフが一番」と、開校と同時にゴルフ部を誕生させ、部長に就任したのが斎藤元謙教諭だった。「生徒に教えるためには自分でも実際にやらなければ…」と早速、なけなしの大金をはたいて地元のゴルフクラブに入会して本格的にゴルフと取り組んだ。

  その結果、ハンディキャップ8まで腕を上げた。「技術的に迷いが出るとプロたちによく相談した」とのことで、その相談役が前出の杉本であり、内田繁、石井富士夫という川奈ホテル・ゴルフコース出身のプロだった。

  斎藤教諭が育てたプロは十数人いるが、先生がいうに「高校体育の本筋はプロの養成機関ではない。でも商業高校であるため生徒の多くは就職希望。だから素養のある生徒にはプロへの問題を親代わりになって考えた』と語っていた。

  近年、ゴルフに取り組む若者の親の中には、むやみやたらとプロに育てようとする流れが見られるが、子どもの将来を思ってのことだろうか。疑問を感じることもある。

  伊東商業高出のプロに、静岡オープン優勝経験がある坂下定夫がいる。坂下は「マナー、忍耐、根性の三原則をみっちり仕込まれました。これを破るとたちまち拳骨。でも斎藤先生は血の通った、いいおやじでした」と話している。

  斎藤イズムは、ゴルフ場がたくさんある伊東の土地柄のたまものなのだろうか。=文中敬称略

《写真は校庭で生徒を指導する斎藤教諭》