| (55)カナダカップの報道陣取材に 小寺の規則、競技方法の解説 |
番組名:伊豆伊東のゴルフ物語 |
更新日(2019/08/27)

昭和32年の正月、カナダカップを主催する読売新聞が社告で“原子力の平和利用”をキャッチフレーズのカナダカップの日本開催を伝えたら、大きな反響を呼んだ。世界一流のゴルファーのプレーが目の前で見られる。ゴルフがようやく普及の道を歩き出した頃だから観戦を希望するゴルファーの声があちこちから聞かれた。
しかし困ったことに報道する新聞各社にはゴルフの記事を書ける記者がいない。プロ野球、東京六大学の記事はお手のものだが、ゴルフとなると経験者がいないから無理からぬことだった。慌ててゴルフを履修せよ、というデスクからの声が飛んだが、ゴルフは一朝一夕にして身につくものではない。各社思案投げ首の状態だった。
そこへ救世主の登場となる。日本ゴルフ協会の役員だった小寺酉二(1897〜1976)が大会前、ゴルフの普及、発展を見据え、ゴルフ界の指導者的な立場から、取材する記者団を相手にゴルフの講義をすることになった。講義は『パーとは・・・』『バーデイとは・・・』に始まり、規則や技術論にまで及んだ。この結果、記者団の取材は円滑に進められ、日本のペア(中村寅吉、小野光一)の歴史に残る快挙を報道できた。日本テレビが史上初の中継放送を行い、その電波が茶の間に入り、多くの視聴者はゴルフを知ることができ、普及への拍車がかかった。
小寺の適切なゴルフ講義に感謝の意味で記者クラブ有志はポケットマネーを叩いて記念のトロフィーを作り、小寺に贈った。
《写真・小寺に記者団が贈った記念のトロフィー》
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