| (31)二等兵が大将になった話〜岩倉二等兵のゴルフ経験 |
番組名:伊豆伊東のゴルフ物語 |
更新日(2019/01/12)

東京ゴルフ倶楽部が東京・駒沢にあった時分、安田幸吉とほぼ同世代に、岩倉末吉というプロがいた。東京GCでプロになり、後に程ヶ谷CCの専属になり、兵役に服していたが戦死した。
彼が昭和5年、徴兵検査を経て陸軍に入隊した頃の話だ。北京駐屯の部隊に配属された際の『北京の休日』の物語である。
北京に駐屯しての休日、北京の散策に出かけた。岩倉二等兵が練兵場のそばを通りがかった時のこと。一人の将校がボールを打っていたが、うまく当たらない。
これを見た岩倉二等兵は、無性にボールを打ってみたくなり
『あのう・・・。私に一発打たせてもらえませんか』とゴルファーに声を掛けた。
将校は『なに!兵隊なんぞに打てるもんか』と取りつくしまがない。しばし押し問答の末に、将校は、
『そんなに打ちたいか』
『だったら一発だけ打たせてやる』に、岩倉二等兵は『有難うございます』と打った。するとボールは真っすぐ、遠く飛んだ。これに驚いたのは将校だった。
『おい! お前は一体誰だ』に、岩倉二等兵は『ハイ。岩倉二等兵です。軍隊に入る前はゴルフのプロでした。昭和三年のプロゴルフ大会で三位でした』
この話は軍隊の中で広まり、やがて部隊長の耳にも入った。さらに外交団までに広がり、岩倉二等兵は外交団にレッスンをするようになった。教え方は好評で、外交団から先生呼ばわりされた。この結果、二等兵は先生とあがめられ、大将のような破格の厚遇で迎えられた。
《写真・岩倉二等兵のショット》
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