| (21)川奈のゴルフコースに税金 閉鎖騒ぎが勃発 |
番組名:伊豆伊東のゴルフ物語 |
更新日(2018/11/05)

今日、日本政府はゴルフに税金をかけている。だが、スポーツに税金がかけられるのはおかしいという声が皆無ではない。実はゴルフに課税という制度は静岡県と福岡県にあった。静岡県では昭和9年2月、ゴルフ入場税という制度を設けた。
これに反対したのは川奈のゴルフ場(大倉喜七郎社長)で、ゴルフ場閉鎖という前代未聞の大事件があった。
事の起こりはその前年の11月、静岡県議会で県知事がゴルフ場に目をつけ、入場者一人に対して一円を徴収しようと発案したことにある。これに対してゴルフ場側は真っ向から反対した。その波紋は静岡県のみならず、日本全国に広がった。単にスポーツ界に留まらず、時の政府にまで余波が及んだ。
この問題には賛否両論があった。課税賛成派は静岡県側で県の財源が乏しいので、旅館の“女中さん税”まで提案した。娯楽性のあるゴルフは当然と主張した。
当時、課税賛成派は内務省首脳陣で、反対派はゴルフ愛好家の鳩山一郎・文部大臣ほかゴルフ界の首脳陣で、スポーツに課税は誤りだ、と主張した。
このニュースは朝日新聞が熱心に報道した。だが編集局の内部でも賛否両論に分かれて揉め、逆にゴルフ界の話題にもなった。
静岡県知事は世論を察して税額を半額にすると発表したが、同年2月、川奈は閉鎖を決めた。大倉は『赤字を覚悟で観光ニッポンのためにやっているのに、理解されないのなら閉鎖だ』と断言した。知事は『金持ちのわがまま』といったが、朝日の副社長だった下村海南は知事に翻意を促す意味で『川奈でゴルフをやるのは止めよう』とゴルフアーに訴えた。
《写真・税金反対派だった鳩山一郎元総理大臣》
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