(42)女子プロ誕生のきっかけ〜原田経子の松島訪問 |
番組名:伊豆伊東のゴルフ物語 |
更新日(2019/04/10)
鎌倉のゴルフ場でキャディーとして働いていた原田経子(元日本女子プロゴルフ協会員)が、ゴルフショップを経営していた松島杲(こう)三(ぞう)を訪ねたのは、昭和35年の春だった。原田は姉同伴の訪問で、松島にこう切り出した。
『私たちゴルフをしたいのです。だが、キャディーはプロだからアマチュアの試合に出られないのです。どうにかして私たちの出られる競技会をつくりたいので応援してください』
松島は当初、彼女たちが、何故自分を訪ねてきたのかは分からなかったが、よく聞いてみると、ゴルフ場の男子プロやPGA(日本プロゴルフ協会)に聞いても相手にされず、プロの大御所である中村寅吉から『フタバゴルフの松島さんにでも相談してみろ』といわれての訪問だったらしい。しかし松島は突然そう言われてもプロに関する知識もなく適当に対応したが、彼女たちは熱心だった。『同じような希望を持っている女性は何十人もいます』と言葉が続いた。
たまたま同席していたゴルフ専門紙の記者が話を聞いて、『面白いじゃないですか。アメリカには女子のプロゴルフ協会もあるし、女子オープンのようなものをやれば紙面に取り上げられるし、紙面効果で営業成績も上がりますよ』さらに『俺も手伝うから・・・』の言葉と原田の熱意に押されて『応援してみようか』という気になった。
しかし当時の日本の女子ゴルフ界は、女子プロの存在などは眼中になく、松島はアマチュア界の主だったメンバーに意見を聞いてみることにした
《写真・フタバゴルフ社長時代の松島杲三氏(左)と石井朝夫プロ》
|