| (30)安田幸吉の徴兵検査〜第二丙種で兵役免除 |
番組名:伊豆伊東のゴルフ物語 |
更新日(2019/01/05)

日本プロゴルフ協会初代の理事長、安田幸吉にはこんな体験がある。1925(大正14)年の満20歳の時、明治憲法下の兵役法に従って徴兵検査を受けた。口頭試問の際、試験官は職業について質問した。『お前の職業は?』に安田は『ハイ。ゴルフ場のプロであります』と答えたが、理解してもらえなかった。検査官はゴルフの知識に乏しく、さらに、どんなことをするのか、と聞いてきた。
安田はどう答えたらいいのか。しばし思案の末、こう答えた。『朝香宮様や皇族、財界の方々がお見えになり、ゴルフを教えています』と答えたら試験官は理解した。しばし周囲と相談の上、こんな結論を出した。
『そうか。お前はがいなくなるとお偉い方々は困るだろう。第二丙種だ』と兵役免除の結果を言い渡された。第二丙種とは不具者扱いである。安田は身長こそ160センチに満たない小柄だが、身体強健でしかもゴルフのプロである。この結果、兵役は免除となり、普段通りにゴルフ場勤務を続けられたという。
安田は1905(明治38)年、東京の駒沢に生まれた。
東京ゴルフ倶楽部は1913(大正2)年、この地に創設された。ゴルフ場の用地は、いまは東京オリンピック記念公園になり、東京都民のオアシスだ。地元の尋常高等小学校を卒業するとお行儀見習いの名目でゴルフ場のキャディーになり、キャディーマスターを経てプロになった。ゴルフをたしなまれる常陸宮の指導役を仰せつかり、皇居内でレッスン中に天皇、皇后にもお声を掛けられたそうだ。日本が生んだプロゴルファーの元祖的な存在である。
《写真・昭和10年、米国遠征をした時分の安田幸吉(左端)》
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