Golferweb （64）ゴミは『はたき』で『はたく』べし

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（64）ゴミは『はたき』で『はたく』べし

番組名：取材メモ・写真に見る日本のゴルフ史

更新日(2022/04/09)

ゴルフのプレーが終わった時、礼儀作法として真っ先に守らなければならないことは、クラブハウスに入る前、ゴルフシューズにまつわりついた芝くずや埃を払い落すことだ。このため、いずこのゴルフ場も出入口のそばにシューズの埃を払う『はたき』や空気圧でシューと埃を吹き払う掃除機を設置している。

はたきを設置しているのは、まさに日本に生まれた日常の家庭文化の習慣で、外国では見当たらない。これぞ日本独特の文化遺産といえないだろうか。最近では電力を使い空気を送る〝シュー〟とひと吹きの掃除機を設置しているゴルフ場が多い。自動化が進んでいる証だ。ところが出入り口で眺めていると、『はたき』でゴミを払うゴルファーの数は少ない。掃除機で『シュー』とやる方が楽だから、こちらを好むようだ。加えてこちらの方がよく落ちるから、圧倒的に使用頻度が高いようだ。

ご覧のはたきを並べているのは昭和初期に開場の会員制相模カンツリー倶楽部である。同倶楽部には電動式のゴミ落とし機も備えてはいるが、ベテラン会員たちは『はたき』を好むようだ。日本家屋での生活には、ほうき、はたきが馴染むし、その方が日常生活の延長で気楽に使えるからだろう。

ハウス内では脱帽は当然。食堂では中央の席を陣取るのは避け、会話は小声で。礼儀作法に厳しい倶楽部は、夏季を除き昼食時には上着着用が義務付けられている。かた苦しい話かもしれないが、礼儀正しいゴルフでは当然のことだろう。廊下で見知らぬプレーヤーとすれ違う際は、軽く会釈を交すべきだろう。廊下は努めて端を通るべし。ハウスの入口に自動車を乗りつけるのは遠慮すべきだろう。

《写真・相模カンツリー倶楽部クラブハウスの出入り口に設置されているはたき》