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(3)パティー・バーグ相手に『伊代ちゃん』奮闘 番組名:取材メモ・写真に見る日本のゴルフ史

更新日(2020/10/25)

  昭和36年頃のゴルフ界は、アマチュアの競技が脚光を浴びた時代で、若い競技者が日本の選手権に続々と登場して活躍した。その4年前に日本はカナダカップに優勝し、その影響でゴルファーが増え、各地でゴルフ場の建設が盛んだった。

 そんな年の秋に、アメリカ女子プロの大御所パティー・バーグ(1918〜2006)が用品メ―カーの招きで来日し、東京ゴルフ倶楽部で日本のプロを相手に模範プレーを披露した。お相手を務めたのは東京ゴルフ倶楽部専属の陳清波、永井謙治、これに女子プロの杉本伊代子が加わり18ホールをプレーした。

 コースには会員やその家族多数が詰めかけ、アメリカ女子プロ第一人者の一挙一動に熱い眼が注がれた。 当時、日本のゴルフ界は女子プロ夜明けの時代で、大倉喜七郎に育てられた杉本伊代子、幸子の姉妹、中村寅吉に育てられた樋口久子らの女子プロの卵たちが研修会を開いて腕を磨いていた。

 そんな矢先、先進国アメリカから女子プロの創設者の来訪で、バーグを中心に模範プレーが開かれ、当時第一人者と見られた伊代子が出場した。 バーグは観戦者たちと気さくに言葉を交わしながらボールを打った。大勢の女性観客に向かって『世の奥さま方、家庭に閉じこもることはないよ。コースに出て白球を思い切り叩きましょう』と大声を張り上げた。

 初めて大きな舞台に立たされた伊代子は、当初固くなっていたらしく、ミスが目立ったが、ホールを重ねるうちに固さがほぐれ、川奈で鍛えられた力を発揮して、バーグも目を見張った。バーグの普及活動で女子ゴルファーが次第に増え、女子プロの誕生に拍車がかかった。

 バークは東京GC訪問を記念して後日、カップを寄贈したが、このカップを争う『パティー・バーグ杯』は女子の会員間でいまも盛んに行われている。

《写真・手前からバーグ、陳清波、杉本伊代子〜東京ゴルフ倶楽部で》