(40)開場セレモニーで大役を果たした宮様方 |
番組名:取材メモ・写真に見る日本のゴルフ史 |
更新日(2021/09/06)

1957(昭和32)年、日本で初めてのゴルフ国際競技『カナダカップ』が開かれ、テレビで実況中継された。それまでゴルフといえは、高貴な方々やお金持ちが楽しむものと思われていたが、このお陰で庶民はゴルフというスポーツを広く知った。この『カナダカップ』が開催されて以後の3〜5年間は、日本各地でゴルフ場の建設が相次ぎ、建設会社、鉄道会社、証券会社などが新しい事業としてゴルフ場建設に乗り出した。日本経済の好況が後押ししたのは言うまでもないが、ゴルフ場を建設し、会員を募集すると会員の集まりがよかったからでもあった。
いざ、ゴルフ場が完成すると親会社は盛大に開場記念行事を実施した。テープカットや初打ちが主な行事の中身だったが、その主役として高貴な方が招かれていた。古くは、1932(昭和7)年、東京ゴルフ倶楽部は、倶楽部の総裁だった浅香宮が始球式の主役を務めた。戦後も殿下は始球式に再三登場した。そればかりでなく、殿下はゴルフの腕前も確かだった。ハンディキャップは一桁で、日本アマチュア選手権の出場も考慮なさったとか。ゴルフは昭和天皇の勧めで振り始め、実力は皇族方の中でナンバーワンといわれた。
ついでゴルフがお好きだったのは高松宮。妃殿下とおそろいで始球式にお出になっている。戦前には多くの宮家の方々がクラブを振っておられるが、浅香宮、常陸宮ご夫妻はご縁のあるゴルフ倶楽部競技に優勝カップを提供なさっている。アマチュア競技にはかつて東西対抗があり、勝ったチームには三宮殿(朝香、東久邇、李王)下賜のトロフィーが与えられた。だが、この競技は1970(昭和45)年を最後に姿を消した。
《写真・皇族方の中で実力ナンバーワンといわれた浅香宮》
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