| (45)プレゼンターに女優さん |
番組名:取材メモ・写真に見る日本のゴルフ史 |
更新日(2021/10/22)

関東ゴルフ連盟が主催するアマチュア競技会、関東女子選手権は、数ある女子のゴルフ競技の中では歴史も古く、女子ゴルフの普及には計り知れない貢献がある。創始は1955(昭和30)年、当初は奥様方のゴルフ大会だったが、創始2年目には映画女優だったゴルファーが勝ち、次いでOL経験者、さらに女子学生が優勝して大会は充実してきた。
至近は女子高校生が優勝するなど、女子ゴルファーの層の広がりが顕著だ。
この競技が創始されて間もない1956(昭和31)年のこと。映画女優だった荒川さつきが奥様ゴルファーを破って優勝した時は新聞の運動面に大きな見出しで報じられ、ゴルフ界では大きな話題になった。それから半世紀の時が流れて、かつてカップを手にした元女優さんが、今度はプレゼンターとして登場した。2010年、大会が開かれたのは神奈川県の相模カンツリー倶楽部。優勝は当時、茨城県の高校生だった照山亜寿美(現在はプロ)で、新進気鋭の照山は高校生とは思えない冷静なプレーでボールの転がりが速い高速グリーンを乗り切って初の栄冠を手にした。
そこで関東ゴルフ連盟は表彰式での優勝カップのプレゼンターに同倶楽部の会員だった荒川を選んだ。荒川は戦後間もなく、ミス鎌倉カーニバルに選ばれ、鎌倉在住の文士、久米正雄らの推薦で大映の女優になり20本以上の映画に出演している。荒川は80歳を過ぎていたが、会員になっているゴルフ倶楽部通いを習慣としていた。照山にカップを手渡した荒川は『50年前に頂いたカップを、時を経て私が渡す側になるなんてまるで夢のようです』と和らいだ表情で語りかけていた。
《写真・優勝した照山に優勝杯を渡す荒川。優しく祝福の言葉を送っていた》
|