Golferweb
■■ ゴルフ情報総合サイト ■■
ゴルフを楽しむコンテンツが満載!
 アプリ/コンペはリビングで参戦!
 
 


プレーオフ短期決戦の空しさ 番組名:ゴルフ温故知新

更新日(2018/03/18)

  つい先日の2月26日のこと。USGA(米国ゴルフ協会)は米国内の競技の中では最高権威といわれるUSオープン選手権のプレーオフを18ホールから2ホールに短縮すると発表した。

    選手権のプレーオフとは規定のホール(72ホール)をプレーした後、同点で並んだ場合に、改めて優勝者を決めるための延長戦のことで、従来は競技が終わった翌日に18ホールをプレーしていた。だが、新しい規定では最終日の当日、余分に2ホールのプレーで優勝者を決めることになった(US女子オープン、同シニアオープンを含む)。

    プレーオフの規定は長年、18ホールが伝統的に守られてきた。ところが近年は競技数が増え、過密スケジュールが悩みの種だった。競技者たちは次の競技に備えて移動したり、体調の管理をしたりの忙しさに追われて嬉しい悲鳴を上げていたのは事実である。競技者が万全の態勢で競技に臨み、最高のプレーを見せてくれることを主催者やファンは望んでいる。こうしたことに対する配慮からプレーオフの重荷から解放する手段を講じたわけだが、それで万全かというと、一抹の寂しさを感じる。

    ゴルフは元来、18ホールをプレーするのが原則である。選手権は72ホールをプレーするのが基本だった。18ホールだけでは、運、不運に左右される。真価は4ラウンドのプレーということから英米のオープン選手権を始め、わが国のオープン選手権、列国のオープン選手権はすべて72ホールのプレーが原則になっているところに権威が宿る。

    そこへ僅か2ホールのプレーで権威ある選手権のチャンピオンをきめるとなると、サイコロを投げて雌雄を決するようなもの。あるいはじゃんけんで優劣を決めるようなもので、なんとなく寂しい気がする。権威の失墜ともいいかねない。米国のプロゴルフの競技は隆盛そのもので、過密スケジュールで嬉しい悲鳴を上げている。が、かといって権威を失墜させるような取り決めは空しさを否めない。博識の読者の皆様はどうお感じでしょうか。

《写真・ 2018年のUSオープン選手権が開催されるシネコックルズGC・ニューヨーク州、USGAカレンダーより》