食の名言残して名ゴルファー近衞さん逝く 番組名:ゴルフ温故知新

更新日(2012/03/01)

 京ゴルフ倶楽部理事長、全日本学生ゴルフ連盟会長を歴任した近衞通隆さんが2月11日、東京・荻窪の自宅で亡くなった。89歳だった。近衞さんは内閣総理大臣を務めた近衞文麿さんの二男で、戦時中は旧日本陸軍の将校として軍隊生活を経験し、復員後は東京大学を経て東京大学史料編纂所に勤務し、最近は霞山会名誉理事長、陽明文庫理事長などの要職にあった。学習院在学から家族ぐるみのゴルフを楽しみ、学習院時代から学生競技に出場する実力者だった。ゴルフを愛好したご両親の影響を受け、実兄の文隆氏とともに日本のアマチュア界の至宝として注目された時代もある。実兄の文隆氏はプリンストン大学に留学し、ゴルフ部の主力として活躍した。留学中、険悪になりかけていた日米関係を、ゴルフを通じた日米友好関係の構築を模索していた。しかし、戦後は旧ソ連軍によってシベリアに抑留され、獄中死という悲運な最期をとげている。 近衛さんは戦後、アマチュア東西対抗、日本アマチュア選手権で活躍した。1949,1950(昭和24、25)年の関東アマチュア選手権のチャンピオン。ゴルフの腕前もさることながら、食通として多くのゴルファーは一目置いた。とりわけ日本酒と日本そばにかけては名うての『通』だった。 近衞流味の表現を再現するとこうなる。味のいい日本酒は『のどをツルンと通るのがいい』。日本そばは『一口、すすると、おなかがすいたと感じるものがいい』といった具合だった。家人によると亡くなる前夜、いつもの通り日本酒を味わい、夜中にジュースでのどを潤したとう。翌朝、名ゴルファ―は目を覚ますことなく、他界した。

《写真・バイザーがよく、似わったお元気なころの近衛さん》