陛下のカナダご訪問とカナダカップ 番組名:ゴルフ温故知新

更新日(2009/09/10)

 先頃、天皇陛下が56年ぶりにカナダを訪問された。天皇の皇太子時代に遡ると、カナダのご訪問は実は日本のゴルフ史に深い関わりがあり、あまり語られることがなかった。
 昭和28年、天皇は皇太子時代、天皇(昭和天皇)のご名代として英国のエリザベス女王の戴冠式に列席された。英国ご訪問に先立ち途中、カナダに立ち寄られた。その時分、駐カナダ日本大使だった井口貞夫さん(和歌山県出身の元外務次官。1899〜1980)の案内で原子力潜水艦ノーチラス号を建造したゼネラルダイナミックス社の会長ジョン・ホプキンス氏を訪問されている。ホプキンス氏で、原子力の平和利用を力説し、世界平和を願って創始されたカナダカップゴルフ(国対抗の団体戦)のパトロンだった。
大会は昭和28年に創始されたが敗戦国の日本は、世界の仲間入りできなかった。この事情を知る井口さんは、ホプキンス氏に日本の参加を要請し翌29年、カナダのモントリオールの大会に晴れて日本代表として中村寅吉、石井迪夫(みちお)を送り出して世界の仲間入りができた。

 いまゴルフ愛好者の目はマスターズ、英米オープンに目が向く。だがこの時代のカナダカップの人気は絶大だった。昭和32年、第5回大会が日本で開催され、テレビの電波が茶の間に入り、広く日本国民はゴルフを知った。千載一遇の好機をとらえたゴルフ好きの大使の機転で日本のゴルフは普及の一途を辿った。


【写真・昭和29年、カナダカップ初参加の日本代表,中村と石井のモントリオール到着】