幻となった手編みのヘッドカバー 番組名:ゴルフ温故知新

更新日(2008/05/21)

 パーシモンヘッドの全盛期は女性キャディたちが編んだ毛糸のヘッドカバーがもてはやされた。だがいまはめったにお目にかかれない。ヘッドカバーはヘッドを保護する役目があり、もともと日本人ゴルファーの高畑誠一さん(元日商の創設者)の発想といわれる世界的なグッズだ。高畑さんは商社マンとしてロンドンに駐在した大正時代、ゴルフに熱が入り、新調のクラブに使い古した靴下を被せていたのが始まりのようだ。

日本では女性のキャディが登場した戦後、来場者を待つ間、勤勉な彼女たちは編み物の技術を生かしながら、ヘッドカバーを編んだ。そのゴルフ場伝統の流儀に沿って緑、黄、紺、赤を組み合わせ、先端に花びら模様やボンボンの飾りをつけた。最初はプロやプロの卵たちにプレゼントして激励していたが、やがて気心の知れた会員に対して格好の贈り物になった。だがカーボンシャフト、大きなヘッドが登場するにつれ、手編みのヘッドカバーの出る幕はなくなった。

ベテランキャディがいう。『いまはカバーつきで売っているでしょう。大きなヘッドは毛糸を沢山使うから作るのは嫌よ』

いつしか忘れ去られ、器用な日本女性のお手製が消えたのは寂しい。手編みカバーのルーツは、集団でゴルフ場に就職し、寮生活をした若い女性たちの夜なべ仕事にあった。


【写真・いまは見られなくなった手編みのヘッドカバー】