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たがためにコースはある? 番組名:ゴルフコース見聞録

更新日(2013/05/09)

日本ゴルフ協会(JGA)から届いた広報文に『2014年度 日本女子オープン選手権の開催コース変更』という知らせがあった。明年の日本女子オープンは竜ヶ崎カントリー倶楽部(茨城県)で開催される予定だったが5月1日、急遽、琵琶湖カントリー倶楽部(滋賀県)にコースが変更という内容だ。前例のない急な開催コースの変更に、なぜ? と疑問が沸く。JGAの広報文は『開催条件について最終合意に至らないことが生じたから・・・』と伝えている。その裏にトラブルがあったと勘繰られても仕方がない。

 開催に関しては数年前から、打ち合わせを重ねたはず。その段階で、条件などは合意に達していたから開催が本決まりになったはず。  開催条件とはコースの設営に関するJGAが要求する条件のこと。これがネックになったのが返上の理由と思われる。前代未聞のできごとだ。

 同じように、今秋、日本女子オープンを開催するため、開催条件を満たすために会員が慣れ親しんでいる樹齢50年以上に及ぶ『めたてせこいや』を移植させた1件がある。考えさせられる問題だ。この秋、開催される日本女子オープンのために相模原ゴルフ倶楽部は、東コース18番にある大木(幹の周りは3.5メートル以上)を移植させて、開催条件を整えた。大木はグリーンの手前130ヤードの中央地点にあった。それをティ方向から見て左側に50ヤードほど移植した。植木の専門職に聞くと『軽く数百万はかかる』という。実に無駄な経費をかけるものだ。

 この1件に古参会員は怒りを露わにする。

  『わがゴルフ場は女子オープンを開くためのものではない。会員のためにある。景観は変わるし、あの立木があったから、手こずった。それが却って面白かった。それより主催者側は、あれこれとヒステリックに条件を突き付けてくる。許せない。なぜアメリカ流を好む。日本には日本のゴルフがある。あえて競技開催コースをアメリカ式に当てはめてまで開催する必要があるのか』

  競技主催者の日本ゴルフ協会は陸上、体操などと肩を並べる競技団体だ。男女のオープン選手権の主催者だが、競技の開催より重要な責務は日本のゴルフの普及、発展だ。開催コースに過酷な開催条件を突き付けるのは、開催クラブにとっては大迷惑だろう。ゴルフの普及、発展を阻害するような愚かな行為だ。そんな悪例は今後に残すべきでない。

《写真・かつて大木は旗竿の先方にあったが、向かって右に植え替えられたため、景観が変わった》