技術NEWS

2016/03/12

BSのボール

 ブリヂストンスポーツでは3月4日から新しいボールを全国一斉に発売された。今回登場したのは『TOUR B330X』と『TOUR B330S』の2種類で、いずれもプロ、上級者向けの競技志向のアスリートゴルファーを対象にした新製品で、進化したブリヂストンのボール製造技術が随所に織り込まれている。

 赤いラインの入った『X』は飛びを追及している。打った感触とスピン性能が高いのが特徴で、風の抵抗に負けない弾道を求められるという。青いラインが入っている『S』は前者に比べ、ソフトな打感を求められ、深い草の中という厳しい条件下のショットでもスピン性を発揮できるよう開発されたという。

 それぞれの商品のコアには、同社の独特技術が生かされていて、コアの中心部と外側の硬度差が大きくなり、フルショット時の低スピン効果がアップしたといわれる。

 さらに特筆すべきは、打った時の感触、打った時の音を徹底的の追及したことであろう。音響の専門メーカーパイオニア社と共同開発によって心地よい打感、打音を追及した点であろう。他社に見らえない開発の苦心があるようだ。

ボールは白、イエロー、オレンジの3色。価格はオープン価格。
この商品に関する問い合わせ先は
お客様コールセンター:TEL/0120-116613

《写真・TOUR B330Xの白》〆

《ゴルフボール余話》〜ブリヂストンとゴルフボール〜

 ブリヂストンは日本が誇るタイヤメーカだが、昭和9年頃からお手のもののゴムを使って国産のゴルフボール製造に乗り出したことがある。創業者の石橋正二郎の肝いりで巨額な費用を投入して研究開発に乗り出した。当時のゴルフボールは大部分が輸入に頼っていた。しかし、高価で普及にはそぐわないと国産化が叫ばれていた。

 ブリヂストンはそこに着目して開発製造に踏み切り、昭和10年の終わりには国産ボールを生み出した。

 完成の記念と宣伝を兼ねて当時のトッププロを集めてブリヂストントーナメントを多摩川の河川敷きにあった会員制の川崎ゴルフ?楽部で開催した(昭和11年11月)。 優勝したのは当時、実力ナンバーワンの陳清水だった。優勝賞金は金千円。この金額で東京の郊外に50坪の土地付き住宅が手に入ったという。競技は72ホールストロークプレーで争われ、観戦した程ヶ谷CCのキャップテンを務めた下村海南(本名・宏)が『当時のトップクラスのプロでも72ホールのプレーのスコアの合計が300を切るのは困難だったが、陳は国内初めての200台のスコアを出した』と国産ボールの品質の優秀さを当時のゴルフ雑誌に寄稿している。

 《写真・昭和12年1月のゴルフ雑誌に掲載されたゴルフボールの広告》〆

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