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ゴルフ外交〜日米首脳会談の後日談〜 番組名:ゴルフ温故知新

更新日(2017/02/18)

  1957(昭和32)年の春、岸信介総理とアイゼンハワ―大統領による日米首脳会談の議題は、日米間の安保条約改定だったが、会談の内容と並ぶ話題は、両首脳によるゴルフだった。ゴルフ好きのアイゼンハワーはこの時、岸総理にゴルフクラブのセットをプレゼントした。このクラブが後に報道陣に披露されたのは、岸さんの帰国後だった。

  日本ゴルフ協会はこの年の春、『日本ゴルフ週間』という催しをタイムライフ誌と共催した。催しの内容はゴルファーがスコアカードを1枚300円で買い、好きなコースで18ホールをプレーし、自分のハンディキャップを差し引いたネットのスコアでプロのチャンピオンと競うという企画だった。催しの最終日に日本プロ選手権のチャンピオンがプレーし、そのスコアと競争するというもの。勝ったアマチュアには主催者から『あなたは、日本プロのチャンピオンを破った』という文字が刻まれたトロフィーが贈られた。

  売上金はオリンピック選手の派遣費や日本プロゴルフ協会の資金になった。

  さて、アメリカ帰りの岸さんは、この催しのオープニングプレーに引っぱり出され、アイゼンハワーから贈られたという新品のクラブを持って横浜の程ヶ谷CCでプレーした。一緒に回ったのは日本ゴルフ協会副会長の野村駿吉さん、女優の荒川さつきさんに在日米陸軍のスミス司令官の4人。1番のティーには大勢の報道カメラマンたちが岸さんの1打にレンズを向けた。

  姿を現した岸さんはギョロリと見渡し、近くにいたカメラマンに向かって『おーい。少しさがってくれ!このクラブはまだ慣れていないから、どこへ飛ぶか分からないから危ないぞ』と注意して打った1打は、国会の答弁同様に“そつなく”フェアウェーに飛ばし、天晴ゴルフ週間の主役を無難にこなした。

《写真・日本ゴルフ週間のオープニングプレーで主役を演じた岸首相〜旧程ヶ谷CCで》