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女子プロ育ての親、松島さん死去 |
番組名:孔球偉人列伝 |
更新日(2008/10/28)
日本の女子プロ育ての親、松島杲三(こうぞう)さん(93)が9月11日、心不全のため東京・赤坂の自宅で亡くなった。東京・五反田TOC内にある『フタバゴルフ』の社長を務めていた。
フタバゴルフは昭和27年の創業。東京・新橋を拠点にゴルフ用品の販売店として日本のゴルフ普及とともに発展していった日本では最古参のゴルフショップだった。
若い頃の松島さんはアイスホッケーの選手として明治大学や就職先の東芝で活躍した。ゴルフはれっきとした戦前派で我孫子GCの会員だった。戦後は東雲(しののめ)GC、川越CCの創設に参画しているが、ゴルフ場造りより女子プロ育ての親として知られていた。
昭和30年代の半ば、鎌倉のゴルフ場でキャディをやっていた原田経子さん(後にプロ)から『男子従業員には将来、プロという夢があるが、女子にはそれがない』と訴えられたのを機に、女子プロを育てることに奔走し、私費を投じてゴルフ場の女子従業員ゴルフ大会を開催した。そこから大場藤子、樋口明子(樋口久子・現日本女子プロゴルフ協会会長の実姉)らが育ち、日本の女子プロの基盤ができあがった。
昭和36年の4月のことだった。松島さんは戦後、日本のゴルフが復活の兆しを見せ始めた頃、帰米する米軍の将兵からご用済みのクラブを買い入れ、新橋で中古品の販売を始めたのがゴルフ界との関わりで、戦後のゴルフ界の流れを知る生き証人だった。
《日刊工業新聞掲載》
【写真・松島さんは90歳を過ぎてもゴルフショップに顔を出して陣頭指揮をとった。左はプロの石井朝夫さん】
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